始め方と続け方
ここでは、漕ぎ始めてから、順番にクリアしてきた、小さな目標を紹介します。
new! 「はじめてのステップバックターン|入門編」公開しました。
SUPを始めてしばらくすると「ある程度漕げるようになったし、次はどうしようかな?」という時期があるかもしれません。そこで立ち止まって、漕げる範囲で維持していくのも楽しみ方の一つです。
でも、次のステップに向けて漕ぎ力をアップすることで、遊べるフィールドや状況がどんどん広がっていくことを経験してきました。遊べるフィールドが広がることで、より大きな自然を感じられたり、思わぬ絶景に出会えたりと「SUPの楽しみはまだまだ広がりがあるんだなー」「練習してきてよかったなー」ということを実感しています。
そんな、続ける上で立ち止まりそうなときの「次の目標作りのヒントになればいいな」という思いを込めて、小さな目標たちをご紹介していきます。
まずは、実際に漕いでみる!
まずは、実際に漕いでみましょう!
体験レッスンや初心者講習に参加して、実際のSUPに乗ってみます。漕げる、漕げないは別として、水の上に出ること、水の上からの景色や体験が楽しいと感じられるか、やってみるとわかります。
まっすぐ漕げるようになる
最初は、まっすぐ進みません。左側を漕ぐと、右に曲がる。右側を漕ぐと、左に曲がる。正直、これはなんとかしたかったです。でも、なかなか簡単には改善せずに、悩みました。パドルの挿し方、ボード上の重心の位置などが、ポイントなのですが、実際はいつの間にか、あまり気にならなくなった、という感じで解消しました。焦らず、身体の使い方、漕ぎの改善に取り組むのが良さそうです。
左右同じように漕ぐ
頭で考えているのと、実際に動いている身体の動きは、結構違いました。左側ではできているのに、右側ではできない… 陸上で鏡を見ながら、左右を同じつもりでやってみると「なんか、ずいぶん違うなあ」と発見です。うまくできている方の身体の動きと同じになるように、陸でやってみて、水上に出て試す。じょじょに感覚と動きの違いが調整されていきます。
筋肉痛を克服しながら漕ぐ
運動をしてないでSUPを始めると、筋肉痛になります。けっこうな痛さが続きました。痛くなる場所も、じょじょに変わります。腿、スネ、腕、肩甲骨の中の方(ローテーターカフ)、背筋、腹筋、肋間筋など、漕ぎ方が変わるたびに、使う筋肉が変わるようで、順番に痛む箇所が変わっていきました。最近はやりの筋膜リリース「筋膜ローラーほぐ師」とかツボ押し棒「鬼の恩返し」とか、健康グッズも有効でした。ひどいときには塗る痛み止め「ロキソニンSゲル」とかにお世話になりつつ、乗り切りました。日々の仕事や生活もあるので、自分にあった痛みの解消法を見つけておくのも大事なことですね。
継続的に漕ぐ
「どうしたら、間を開けずに、継続的に漕げるだろうか?」と、考えていました。ツアーが開催される日、予定の調整、天気、予算、身体の調子、など、漕ぐためには、いろいろな要素の調整が必要です。
たとえば「毎月4回は、漕ぐ」というような目標を決めたら、漕ぐ場所、予算、時間づくりなど、毎日の生活を変えていく必要も出てきます。でも、そんなこともあわせてSUPのある生活に変えていくことで、ハッピーな日々に変化するきっかけになってきます。継続できることで、スキルアップにもなり、力がつけば、それだけ遊び方の幅も広がって、楽しいSUPライフにつながってくる!はず、と思い、いろいろと生活を見直しながら取り組んできました。
僕の場合は、近くで朝SUPやSUPツアーを開催している「水辺荘」さんという団体があったことが大きな助けになりました。SUPショップやクラブチームなど、継続的に漕ぐために、会員制度を用意しているところもあったりします。自分にあった定期的に漕げる場所を見つけるのも、継続的に漕ぐための方法の一つですね。
風対応
シティーサップでも、風は吹きます。初めの頃は、風が吹くと、進みません。4回目くらいで10kmツアーに参加したときも、帰りはずーっと向かい風でした。風がやんだ水路に出たときは、ホッとしました。
SUPを漕いでいると、スタート時は無風でも、途中で風が強くなる、というのは川、海、湖と場所を選ばず、よくある状況変化です。
なので、風速5−6m程度までは、吹いても「普通に進めます」程度を目指したいです。パドルをしっかり挿して、力を入れて漕げるようになれば、それほど苦痛でもなくなります。最初の頃は、風の抵抗があるほうが、力を入れて漕げるような気もして「風つらい」と言いながらも、けっこう好きだったりしました。Mですね。
風のある中でも、まっすぐ進めるようになると、天候対応の幅も広がるので、漕げる機会も増えてきますね。
長距離を漕ぐ
初心者講習のツアー距離が、3kmほどでした。なんとか立って漕ぎながら戻ってくるとちょうどよい感じの距離です。4回目くらいに、6kmほどのツアーに参加して、風もあり時間はかかりましたが「漕いだ!」という充実感とともに終わるくらいで、ちょうどよいくらいの距離になってきました。
慣れたきて頃に、長い休憩は入れずに16kmほどを漕ぐ機会がありました。漕いでいるときは「まだまだ行けそうだな」と思いながら終了したのですが、翌日「体の芯に力が入らないー」というほど疲れ果てていました。結構きいていたんですね…
その後は、体力もついてきたので、今ならもう少し行けそうでは、と思っています。距離を漕いでみると、今の自分の漕げる距離感というのも把握できるので、ときどきやってみると良いですね。
3km、6km、12km、20kmと漕げる距離を伸ばしていくと、遊べるツーリングコースも増えそうで楽しみです。
ツアーに参加する
ここでの「ツアー」とは、いつも漕いでいるショップや倶楽部のホームではなく、違う場所に移動して、漕ぐ、という移動を含めたツーリングのようなイメージです。
いつもの朝SUPへの参加時は、レンタルだったり、あらかじめ着替えてから自転車で向かったりと、身軽に参加することに慣れてしまっていたので、「うーん、なにを持っていけばいいのかな?」と、ちょっと考えます。
とある都内の運河を漕ぐツアーに参加した時には、いつものビーサン+はだし漕ぎでいいかなと思って、マリンシューズ持ってかなかったのですが「ツアー途中で上陸する」ということを当日聞いて「マリンシューズ持ってきてないの!?」ということもありましたね。
離れた場所に移動して漕ぐ場合、持ち物、運び方、移動方法など、いつもとは違う状況になってきます。移動+SUPのために必要なものリストが、サラッと浮かんで安全に楽しくツアー参加できるようになるのも大事でした。
マイボードで漕ぐ
始めてから半年ほど立つと、いろいろと慣れてきます。倶楽部のツアー以外にも、自分で自由に漕ぎたくなってきます。そうなってくると、マイボートも欲しくなります。
ところが、この「自分で自由に漕ぐ」というために必要なものが、思っていた以上にたくさんありました。
どうしても「適当に安いもの買っとくか」という行動もとれず、買うに当たっては、今の自分にとってはどれが最適か、というあたりを調べた上で、予算も見ながら購入する、という「マイボード+自由漕ぎに必要なもの」を一揃えするのが、結構なエネルギーと時間を使いました。
最後の方は「もう、これでいいかなー」という感じで、調べることにツカレテきて「早く揃えて漕ぎに行きたいー」という感じでしたね。
そんな道具選びも含めて「マイボードでレンタル品なしで、自由な場所で漕ぐ」というのは、なかなかお手間もかかったのですが、その後の「漕ぎに行きやすさ」や「いつも同じボードで漕ぐ」という点などにおいて「やっておいてよかったな」と感じています。
身体を使って漕ぐ
レッスンやツーリングに参加していると「身体全体を使って漕ぐといいよ」と言われるのですが、これがなかなか、どうすればよいのか、わからないことでした。
腕だけでなく「大きな筋肉」で漕ぐ、ということが一つなのかな、とわかったのですが、それでも「どの筋肉をどう使うのか?」は、試行錯誤で取り組みながら、改善して行きました。→漕ぎ改善については、こちらもどうぞ。
いろいろと試す中で「筋肉痛の場所が変わる」ということで「じょじょに良くなっているのかなー」と思いつつ進んできました。
取り組む上では「こういう漕ぎ方をできるようになりたいなー」というモデルとなる人の漕ぎ方があると、目指していきやすかったです。ただ、カイ・レニーとか、筋力すごそうな世界のレース系の人をモデルにしてしまっても、身体の作りも違いそうなので、ムリがありそうですよね。僕の場合は、redpaddleのチュートリアル動画とかオープンクラスレースの女子選手の漕ぎ方とか、あたりを参考にしていました。
スピードアップ
身体を使って漕げるようになったら、距離を決めて、タイムを測ってみると、今の漕ぎ方の実力が、分かってきます。
初めて3kmをノンストップで漕いだときは、苦しかったですねー。1.5kmくらいで、腰回りの筋肉が「もうムリ!」と悲鳴をあげます。背筋とか使えずに、身体を回すだけで、とりあえず止まらずに進みつつ、休みつつ、しながら、復活したらまた漕ぐ、みたいな感じでした。正確には記録がないのですが、だいたい40分くらいかかっていたようです。
続ける中で、漕ぎ方を変えてみたりで、やっと1km10分程度です。状態によっては8分台の時もあったりしますが、レースの本番などはだいたいこのくらいが今の実力のようです。レースボードではないとしても、漕ぎ方や身体の使い方で「もう少し早くなるだろう」と思い、日々改善中です。
ボードコントロール
「ボードコントロールできるように」と言われても、最初は「どういう状態に制御すればいいのか?」がピンときませんでした。
そんなとき、とあるツーリング中に、自分の漕ぎ改善に夢中になって「前を見ずに、下を向きながら漕ぐ」という状況がありました。それなりに進むので、一生懸命になって漕いでいると、ふと気づくと、目の前に大きなウキモノ(川の端っこに、丸いフロートみたいなのが、連なって浮いていたりするもの)が迫ってきていて、回避できずにぶつかる、もしくはパドルで押して回避、ということがあったりしました。
ボードコントロールの一つとしては「ハンドル」を切るように、前進しながら「思った通りのコースを漕ぐ」ことができるようになる、というのが最初の目標になりました。
運河のツーリング中には、狭いところの通過や船との行き違いなど、思った通りにボードを進める技術が求められる場面があります。
レースのときには、波・風の影響の中で、流されずに、思ったコースを進めるようになる、ということを求められる場面も出てきました。
接岸時や落水した人のボードに近づくためには、真横にも移動できるようなことも、求められました。
一つづつですが、ボードを今の位置から目指す位置に、思った通りにコントロールする、というのもクリアしたい目標となってきます。
不安定な水面状況への対応
本栖湖のレースに出たときです。「湖は静かな平水面だから、レースも気持ちよく漕げそうだなー」なんて軽い気持ちで参加したら、当日は、前回の江ノ島レースのときよりもよっぽど荒れた水面でした。
結果、落水しないようにバランスを取ることに精一杯で「力を入れたパドリング」などさせてもらえずに、なんだか消化不良のまま終了しました。
そんなことがあってから、いつものシティーサップの平水面だけの練習じゃ、日々海で漕いでいる人たちとは、あまりに対応力が違っていて、競争にもならない…と、強く思い知らされました。
ちょうど、春から夏のシーズンでしたので、積極的に海SUPの機会を作り、うねりや風波のある中で漕ぐ機会を増やしていきました。10回くらい漕いだあたりで「水面が多少不安定な状況でも落水せずに、身体を使って漕げるようになる」という目標がいつのまにかクリアできるようになってきました。
これができると、レースのスタート時の荒れた水面や、多少の風波や横からの波がある状況、さらには試しに乗らせてもらったレースボード、などの不安定さのある状況でもしっかりと漕げるようになってきました。身体というのは、置かれた環境に対して、いつのまにか慣れてくるのですね。人の力に驚かされます。
安定したステップバックターンをする
new! 「はじめてのステップバックターン|入門編」公開しました。
ステップバックターンは、レース参加とベーシックインストラクター取得のために、取り組み始めたのがきっかけです。
最初は、なんとなく足を斜めにして、スィープストロークしたり、クロスボウで方向を変えれば、回れるからいいかな、程度に思っていました。
ところが、実際のレースに出てみると、ブイを回るときの小競り合いを避けようと思うと、コース取りが無駄に大回りになってしまいます。ただでさえ、スピードは遅いのだから、せめて、ブイをまわるときのターンくらいは、しっかりできるようにして、短いコース取りで進めるようになりたい、と思ったのが、より安定したステップバックターンを目指したきっかけでした。
ステップバックでのピボットターンを練習をする中で、腰を落として安定させる体勢をとる時間が増えていました。いつのまにか筋力もついてきたようで、横向きのサーフスタンスが安定してきたり、膝を落として不安定な水面に対応する漕ぎ方でも長く続けられるようになってきました。
一つのことに取り組む中で、漕ぎ方全体にプラスの影響があったは嬉しかったですね。横乗りにも慣れてきたの、次は「SUPサーフィン」で波乗りを目指します!
スポーツとして、できることが増えるのは、SUPの楽しみの一つです。僕の場合は、ここに書いてきたような「結構細かいこと」を気にしながら、一つ一つクリアしてくるのが楽しみの一つでもありました。
クリアできたものが増えると、漕げる環境も増えてきました。新しい環境で漕いでいると、次の課題が見つかってきます。レース、という最初は興味もなかったものも、参加してみることで多くのきっかけをもらえています。「体験ツアーが楽しかった」の先にも、まだまだたくさんの楽しみが待っています。
小さなテーマを見つけながら継続していると「漕げるようになったねー」とか「速くなったね!」など、声をかけてもらえて、嬉しくてさらに次へ、と取り組むうちに、いつのまにか漕ぐ力もアップしてきました。漕ぐ力がアップすると、遊び方も広がって、さらに楽しくなってきます。
あなた自身の小さなテーマ発見のきかっけになり、SUPを続けるお役にたてれば嬉しいです。